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水と安全はタダの国?

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         サントリー 水育HPより
 地球上の水の約97.5%は海水等です。淡水は約2.5%しかありません。この大部分は氷や地下水等で実際に利用できるのは、0.01%〜0.02%のごくわずかだと言われています。水は貴重な資源なのです。
 「水と安全はタダ」という言葉は、日本にかかる枕詞や代名詞のように使われてきました。しかし、本当にそうでしょうか。安全が怪しくなってきていることは、昨今の状況から誰しも感じているところだと思います。実は水もそうなってきています。「瑞穂の国」は「『瑞穂を産する国の意』日本国の美称」(大辞林)となっていますが、それも危なくなってきています。
 国土交通省の資料によりますと、日本の年間降水総量は世界平均の約2倍と言われています。しかし、一人当たり年間降水総量でみるとサウジアラビアとほぼ同じで、世界平均の約3割しかありません。一人当たりの水資源量でみても世界平均の約4割強です。実は水資源の乏しい国なのです。
 日本の食料自給率はカロリーベースで約4割です。6割を輸入で賄っています。東京大学の沖教授らの研究グループによりますと、1kgのトウモロコシを生産するのに1,800リットルの水、牛はこうした穀物を消費しながら育つため牛肉1kgを生産するには、その約2万倍の水が必要とされています。ですから、食料を6割輸入しているということは、それを生産するための膨大な水(バーチャルウオーター)を輸入していることになります。
 減反政策で、休耕田や耕作放棄地があり、もはや「瑞穂の国」とは言えないかもしれません。国民一人当たりの水資源は決して余裕のあるものではありません。この現状を踏まえ、水との付き合い方を考える必要がありそうです。