一期一会
一期一会とは、「(茶の湯で)いついかなる時も、客を、一生に一度しか出会いの無いものとして、悔いの無いようにもてなせ、という教え」(新明解国語辞典)とあります。千利休の弟子、山上宗二が「山上宗二記」の中に「一期に一度の会」という書き下しの一文を残しています。その考えを幕末の大老井伊直弼が自身の著書「茶湯一会集」巻頭に「一期一会」という言葉にして世に広めたと言われています。
入試説明会や入試相談会で多くの方と出会います。初めてお会いする人と、ほんの僅かな時間ですがお話しできる機会があります。その時に、次にもお話しする機会があるという心構えで接するのと、ここで十分理解していただかないと次にお会いすることは無いという気構えでお話しするのとでは大きな違いがでてきます。そこでの縁で入学されてくるということもよくあるのですから。
初めて会う方との心構え、気構えは当然のことですが、日頃からよく顔を会わす人との接し方にも通じる大切な考え方だと思います。例えば、生徒との関係でも言えます。毎日顔を合わせますから、説明不足や言葉足らずでもいつでも補える、と考えて授業をしている先生はいません。授業は真剣勝負、先生も生徒も「自分を成長させる場」です。毎時間「一期一会」の気持ちで授業をしています。
上の写真は中央棟の応接室に掛けてあるものです。来客など多くの方と話をする場所です。今できる最高のおもてなし、二度と会えないかもしれないという覚悟で接しなさい、といつも私たちに語りかけています。