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天の川銀河、2割重かった

 天の川銀河の質量が2割ほど重かったということを国立天文台などの研究チームが2日発表しました。天の川銀河は太陽や地球が含まれる銀河です。このようなとてつもない大きなもの、しかも宇宙空間に浮かんでいるものの質量をどうやって測るのか興味のあるところです。
 研究チームは、天の川銀河に含まれる天体の距離と方角、動きを精密に調べたそうです。その結果、太陽系が銀河の中心を回るスピードは従来の定説より速いということがわかりました。そのスピードは毎秒240kmという猛スピードです。定説より1割ほど速かったと言います。第一宇宙速度が地球の周りを人工衛星として回るのに必要な速度で毎秒7.9km、地球の重力圏を脱出する第二宇宙速度は毎秒11.2kmと言いますから宇宙ロケットの比ではありません。
 速度が速くなっているということは、それだけ遠心力が大きくなっていることになります。それでも、銀河から太陽系が飛び出さないということは、例えば第二宇宙速度になっても地球の重力圏を脱出することが出来ず地球の周りを回り続けているのと同じで、従来考えられていた力より大きな力で引きつけられていることになります。物質間に働く万有引力は、距離の2乗に反比例し、両質量の積に比例するということから、銀河の質量が大きくないといけないことになります。銀河に含まれる星などの質量はほぼわかっており、質量が増えた分は、正体がまだ良くわかっていない暗黒物質だといわれています。この物質の密度や性質などを予測する上で重要なデータになるそうです。
 都会ではすっかり天の川を見ることが出来なくなりましたが、秋の夜長は空を見上げてロマンを感じるのもいいかもしれません。