中学・高校受験を考えるにあたって・・・その4
学校選択の重要な指標として、面倒見の良い学校であるかどうかがあります。面倒見が良いということをどう考えれば良いのか、難しい問題です。生徒のために何でもやってくれる、ただ学校に任せておけば良いというのが本当に面倒見が良いことになるかは疑問です。
最近の学校、特に私立中学・高等学校はいわゆる面倒見の悪い学校はありません。学習の仕方をはじめ、大学受験もどうすれば合格するかも含め、いろんなものがお膳立てされています。それこそ任せておけば、それで安心というところばかりです。ただ、その中に生徒の自立という課題をしっかり受け止めてやられているかというと疑問なところもあります。
もちろん、与えられたことをキッチリやりきるということは大切なことです。特に幼少年期にはそうです。ただ、いつまでもこの域を脱しないと、与えられたことはできるが、言い換えると与えられないとできない、自分で課題を見つけられないということにもなります。大学生の中で、自分で卒論の課題や研究テーマを見つけられない、教授に与えてもらわないとできないということが珍しくないと言われます。
社会人も然りです。講演で次のような話を聴いたことがあります。「ある世界的に有名な建築家の事務所に、有名な国立大学から新入社員がきました。その社員に会社の外にある植木に水をやりなさいといと言う仕事を頼んだところ、さすがに優秀な生徒ですからその仕事を一日も忘れることなく実行していたそうです。ある日大雨が降りました。彼はその日も水をやっていた」、という笑い話にもならない話です。
過保護と放任は同じ根っ子で、どちらも自立を阻害します。中学・高校時代は自立をどう促すのか、そのために、発達段階に合わせてどの段階では何を与え、どの段階になると与えることをやめ自分で乗り越えさせるか等を考えた指導が必用です。私たちは、このような学校をめざしています。