読書週間にあたって
私が最近読んだ本の中に、「山中伸弥先生にiPS細胞について聞いてみた」(講談社)があります。その本の中で山中先生は、「10回のうち1回成功すればいいというくらいの気持ちでチャレンジしようとか、やるかやらないかの選択を迫られたとき、やらなくて後悔するくらいなら、やってから後悔しょうといったメッセージには、とても共感しました」、とか、「いちばん辛いときは、その辛さを克服できる一歩手前だというようなことを書いているのもありました」、と本から学んだことを紹介されています。「やっぱり飛ぶためにはかがまなあかんねんや」と激励されたとも書いておられます。
山中先生に関する本で、昨年出版された「『大発見』の思考法」(山中伸弥•益川敏英著 文春新書)があります。この本のなかで、小さい頃から勉強がよくできたと思われていた益川先生が、成績は「1」以外のバラエティーにとんだ数字が並んでいたとか、お母さんが先生に、「たまには宿題を出していただかないと、子供が家で勉強しなくて困ります」と注文をつけたら、先生から「宿題は毎日出していますよ。しかし、お宅の息子さんは、一度もやってきたことがない」と逆に注意されて恥をかいたという、私たちも「勇気づけられる」ようなエピソードなども紹介されています。研究の内容は難しそうでも、面白い本です。
「読書は心の栄養」などといわれます。自分の生き方を模索したり、悩みごとがあるとき等に解決の糸口を与えてくれたりします。人間は一人ではどうしても限界があります。そのような時に、いろんな人の意見や考え方、生き方を参考にするには読書が大きな役割を果たしてくれます。