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「イチャリバチョウデー」


 研修旅行2日目のきょうは、沖縄市にある県下最大と言われる泡瀬の干潟での環境活動を行いました。満ち潮で、干潟の様子はそれらしい様相ではありませんでしたが、浜に打ち上げられたプラスティックなどの人工物のゴミを収集をする傍ら、豊富な動植物の観察を行いました。カニや小動物だけではありません。大きな石の下から、タコを発見して捕まえたグループもありました。豊かな自然が残されていることに改めて感心させられた次第です。
 地元の方と一緒に活動するといろんなことが学べます。「イチャリバチョウデー」もそうです。これは、沖縄のことわざで、「イチャリバ」(出会えば)、「チョウデー」(兄弟)で、「一度会ったら皆兄弟、仲良く語り合おう」という意味だそうです。1500年代の琉球王国には軍隊があるから争いが起きるという考えのもと、軍隊を置かなかったそうです。以後100年ほど、軍隊のない王国として発展してきた歴史の中で生まれてきた言葉なのではないかと言われています。横のつながりが強く、人々の温かさをも表す沖縄の言葉です。私たちも、「袖すり合うも多生の縁」と言う言葉をよく親の世代の人たちから聞かされたことがあります。単なる偶然ではなく、すべて前世からの因縁によるものだから、どんなささやかな出会いも大切にしなさいということでした。最近は肩が触れ合うと大変なことになったりもするご時世でもあります。今一度、出会いや人を大切にするという伝統があったことを再認識する必要があると思いました。
 せっかく捕まえたタコですが、旅行中無駄に死なせてはいけないので、みんなで見送りながら海へ帰してやりました。「イチャリバチョウデー」、いい言葉です。