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「水泉動」(しみず あたたかを ふくむ)

 きょう11日は鏡開きです。二十四節気の「小寒」も過ぎ、一番寒いとされる「大寒」ももうすぐです。言わば、一年の中で一番厳しい季節を迎えています。学校も三学期です。一年の総まとめの時期であり、最後の追い込みの時期でもあります。また、この時期に中学・高校・大学の入学試験もあります。いよいよ来週は大学入試のセンター試験と中学入試が行われます。
 よく言われることですが、夜明け前が一番暗く、春を迎える「立春」の前が気温も低く寒さが厳しいと。しかしその後は、明るい日差しや春がやって来ます。同じように、どんなに難しい課題でも、その問題点が顕在化してきた時は解決の糸口や方向性がその中に内包されているといわれます。現象としてあらわれて来る前にその前兆となる動きがあるということです。そういう意味でも、この時期に既に来年度の方向性がどうなるかが決定づけられるような前兆や動きが出てくることになります。
 今の時期は、七十二候の「水泉動」にあたります。この候にいう「水泉」とは、湧きいでる泉のことをいいます。寒さの厳しい「小寒」ですが、季節は動いていて、地中では凍った泉が融けて動き始めているといわれています。七十二候のおもしろさは、あたり一面、冬枯れの凍った土にあって、生命の躍動を感じさせるものが何もなくても、その土の下では春が用意されているという、その先読みにあります。自然も、私たちの目に見えないところで深く、大きく、しかし確かな兆しを示しながら、ゆっくりと動いているのです。