「平常心」
センター試験や中学入試が一週間後に迫りました。今年の冬は例年になく寒い日が続いています。インフルエンザも流行の兆しを見せています。受験生にとっては気が許せない時期です。今まで取り組んで来た成果を十分発揮できるように、体調管理も含め気配りをしてほしいと考えています。
試験に臨む姿勢として、「平常心」という言葉がよく使われます。「平常心」とは、何事にも動じない、揺れ動かない心の持ちようのように考えられていると思います。しかし、私は、そのようには考えていません。明らかに、今までと違う場所で、周りには初めて会う人がほとんどという状況で、誰も心が動かず、普段通りにできる人はいないと思います。もし、そのような状態でも心が動かないということは、自分のおかれている普段とは違う状態を正しく受け止められていない、現状を正しく理解できていないということにほかならないと思います。緊張するのは当たり前です。緊張している自分を感じ、どうしようと焦る気持ちが出てくるのも当然のことです。普段とは違う状況が、自分の周りにはあるのです。その状態を正しく受け止められているからドキドキもし、その現状にどのように対応するかを考えるから緊張もするのです。むしろ、このままじゃいけない、何とか落ち着こうと焦る気持ちが、かえって不自然な心の働きを起こし、よけいに緊張したり不安になったりするものです。
「平常心」とは、自分のおかれている状態をありのままに受け入れ、その状態を打開する道を考えようとする心の持ち方だ、と私は考えています。健闘を期待しています。