寒の入り
きょうは二十四節気の23番目にあたる「小寒」です。「小寒」の日をもって「寒の入り」とし寒中見舞いが出されます。この日から節分(立春の前日)までが「寒の内」、「寒中」で、30日間厳しい寒さが続きます。今年は2月2日節分をもって「寒の明け」になります。寒さが最も厳しい「寒の内」に、心身の鍛錬のために行われるのが寒稽古です。本校でも、15日から寒稽古を行います。
小寒から四日目を、特に「寒四郎」と呼び、寒四郎は麦作りの厄日とされています。この日の天候によって、その後の天気や収穫に重大な影響があると信じられていたからです。また、九日目は「寒九の雨」といって、この日に降る雨は農家にとって豊作の兆しであると信じられ喜ばれていました。科学的根拠のほどは分かりませんが、昔の人の体験や経験からくる言い伝えです。寒九には、「寒九の水」というものもあり、この日に汲んだ水は薬になるとされてきました。この日に水汲みの行事が行われている地域もあります。
寒の時期には寒さと乾燥のために、雑菌の繁殖が抑えられるため、この時期に汲んだ水は質がよく腐りにくいといわれます。水の質が味の善し悪しに影響する酒造りでは、寒の水を使った酒は味がよいとされ、寒の時期は酒造りの最盛期となるそうです。また、この時期に晒した食べ物は味がよく、「寒晒し」や「寒干し」といった言葉も生まれています。
寒は、日照時間も短く、寒さも厳しい季節です。このような時に、その季節の特性を取り入れて上手に生活する先人の知恵に敬服します。8日の始業式が「寒四郎」、13日の日曜日が「寒九」になります。さて、お天気はどうなるでしょうか。