イカは空を飛ぶ
北海道大学は2月7日、山本潤・助教らの研究グループが「イカはホントに空を飛ぶ:イカの飛行行動を世界で初めて解明」とするプレス・リリースを出しました。
イカは海中では、捕食者などの接近を感じた際に、漏斗から水を何度も噴出し、できるだけ早く危険から逃避します。特に筋肉が発達した外洋性の数種類のイカは、勢いよく水面から飛び出すことが知られ、「イカが空を飛ぶ」として、世界各地で目撃されてきました。しかし単なる「水面からの飛び出し」なのか、本当に「飛ぶ」のかは不明だったものが、今回の研究でイカは高度に発達した飛行行動を持つことを解明したとされています。
イカの「飛ぶ」行動は「飛び出し」、「噴射」、「滑空」、「着水」の4つの段階に分類できることがわかったそうです。今後への期待として、「 イカの飛行は逃避行動として世界中の海で頻繁に起きている可能性が高く、多くのイカが海鳥に空中で捕食されることを示唆しています。このことは、海洋生態系の食物連鎖を理解するのに役立つと考えられます」。
トビウオが胸ビレや尾ビレを使って空中を飛ぶのはよく知られています。その飛距離はなんと300mにも及び、スピードは時速約60kmともいわれています。水面から飛び上がってはねるのは他の魚もできますが、「飛ぶ」ことができるのはトビウオとイカということになります。どういった進化の過程でこのような「技」を身につけてきたのか、興味が尽きないところです。