一番でなければ
エクサは10の18乗倍、百京倍の量です。ゼロが18個並びます。とてつもなく大きな数ですが、「京」と言えば、理化学研究所のスーパーコンピュータ(スパコン)の名前です。1秒間に1京(10の16乗)回の演算をするところから名前が付けられています。今では世界で3番目の演算速度だそうです。文科省は次期スパコンは毎秒1エクサ回の性能を目指すとしています。これが実現すれば世界一になるとのことです。地震や津波による被害予測の精度が飛躍的に向上するなど防災分野への活用や新薬の開発など幅広い分野で応用できると期待されているそうです。
一方、今朝の読売新聞に「『太陽のリング』北限判明」とする記事がでていました。昨年話題になった金冠日食についてのことです。太陽がリング状に見えるのか、輪が途切れて見えるのかの「北限界線」の位置が、米航空宇宙局の「NASAライン」、「国立天文台ライン」と日本の研究者らが提唱した「相馬早水ライン」の計3本があったそうです。観測者の報告をインターネットで募ったところ、明石市からの報告が全国最多で、その結果、「相馬早水ライン」が一番近く、「NASAライン」が一番北に外れていたとのことです。いずれも計算にはコンピュータを使っている筈です。使っているコンピュータの性能の違いによって3本のラインがでてきているのではなく、計算方法や考え方の違いから導きだされた結果の違いだと思います。いくら優れたスパコンでも「何をどう計算させるのか」が大切になります。そこがシッカリしていれば、「二番ではダメなのです。1番でなければ」。