梅
二十四節気「芒種(ぼうしゅ)末候、七十二候の二十七番目にあたる「梅子黄」梅の実が黄ばんで熟す頃です。「夏至(げし)」(芒種の次)も近いので昼の時間が長くなってきています。きょうの神戸での日の出が4時46分、日の入り19時14分となっています。
梅は、別名に好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)があり、厳しい冬から春の便りを知らせてくれる花の観賞の他、結実した実を梅干し、梅酒、梅酢など食用としても用いられます。クエン酸などを含み健康食品として重宝されています。また、古くから塩とともに調味料とされてきたところから、良い味加減や調整することを意味する「塩梅(あんばい)」という言葉ができたといわれています。健康食品とされる梅ですが、古くから青梅は毒とされてきました。種子の中に毒性を発揮する物質があるからです。それを、アルコールや塩分、加熱により毒性を低下させてきた先人の知恵によって食用にされてきました。このように梅は、古来から季節を感じ、食べ物にも利用されるように人との関わりが深く、生活にとけ込んできました。
「東風吹かばにほひをこせよ梅花 主なしとて春を忘るな」は、菅原道真の和歌です。「学問の神様」といわれる道真が、梅の花を好んだところから天満宮の神紋として用いられ始めたと考えられています。道真公と梅、深い関わりがあるようです。私たちにとっても身近な存在の梅、「学問の神様」の御利益にあやかりたいものです。