データを通して進路を考える
高校3年生の2人に1人が4年生の大学に進学する時代になりました。文科省の資料によりますと、第一次ベビーブーム、いわゆる団塊の世代の18歳人口は249万人となっています。それに対する進学率は11.8%といいますから、約29万人が大学生です。80年代後半から始まるバブル景気の頃で、200万人弱に対して約24%程です。それが、平成23年度のデータでみますと、120万人にたいして、51%の進学率になっています。61万人を越える大学生の数です。戦後最低の少子化なのに、最高の大学生の数です。これが今の特徴です。
大学卒業後の進路はどうなっているかといいますと、文科省が昨年発表した資料によりますと、男子で正規の職員として就職した者が56.5%、安定した仕事に就いていない者が22%、そのうち就職も進学もしていない者が16.4%となっています。女子でみますと正規の職員は64.4%と男子より高くなっていますが、安定した仕事に就いていない者が24%、就職も進学もしていない者が14.4%となっています。大学生の約4人に1人が安定した仕事に就いていないことになります。昔のように「大学をでれば何とかなる」という時代ではなくなってきていることを表すデータです。
就職した後はどうなっているでしょうか。厚労省の資料に、新卒の新入社員の離職率があります。それによりますと、3年以内に離職する者が3割を越えているとあります。定年までその会社に勤める終身雇用制が崩れてきている世の中ですが、若者の離職率は想像を越える高さになっています。