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文系は就職、理系は進学?

 二人に一人が大学へ進学、卒業しても就職して正規の職員になる者が約6割、四人に一人が安定した仕事に就いていない、というのが大学卒業後のデータでした。もう一つ見逃しては行けないのが、大学卒業後に進学する人が約14%いるということです。学生が学ぶ学部を通して進路のことを考えてみると、また違った様子が見えてきます。
 日本の大学を設置者別でみると私立大学の数が圧倒的に多く、次いで国立大学、公立大学の順になっています。私立大学は国立大学の5倍以上の数になっています。学生数を学部別に見ると社会科学関係学部が一番多く、工学、人文、教育の順になっています。学部を工学・理学・医・薬などの理系と社会・人文などの文系という分け方でみると、文系の学生が多くなっています。ところが、国立大学では文系より理系の学生の方が多いのです。ということは、私立大学は圧倒的に文系の学生が多いということになります。
 ここで、大学卒業後に進学をしている学生に焦点をあててみると、理系の学生が多いことは予想できると思います。卒業生の率からいうと理系が圧倒的に多くなります。しかし、この中にも面白い特徴があります。国立大学の中でも、東大・京大・阪大などは就職する学生が僅かで、多くの学生が進学します。それが地方の国立大学になると進学の率が減ってきます。それでも、私立大学より進学の率は高いようです。文系は東大・京大・阪大などでも、就職の方が進学より高い率になっています。地方の国立大学や私立大学になると圧倒的に就職の方が高い率になります。乱暴な言い方をすると、大学卒業後、理系は進学、文系は就職、特に国立大学の理系は進学ということになりそうです。