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大学卒業後の進路は?

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 大学院をでた者では、修士課程修了者の就職が約70%と、博士課程修了者の約50%より高い数字になっています。安定した仕事に就いていない者が修士課程では約17%ですが、博士課程では約40%という高い数字になっています。この中には、いわゆる「ポスドク問題」があります。これは、90年代から始まった大学院重点化計画によって大学院の定員が増え、その結果博士号取得者が増加したものの、大学や研究所の定員が増えていないところから、任期制の職についている研究者の問題です。法科大学院も同様の経緯をたどっているように思えます。
 高校卒業後、2人に1人が大学生になっている時代です。戦後最低の18歳人口といわれる少子化なのに、最高の大学生数です。以前からいわれている「大学さえ出れば何とかなる時代ではない」ことは明白です。時代の変化を考え、「何のために大学へ行くのか」、「将来どのような分野で社会貢献できる人間になるのか」など、明確な目標を持って大学進学を考えなければならないということを示唆してくれるデータです。