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サンゴが危ない

 記録尽くめの夏でした。四国の四万十市で日本の最高気温を、大阪の豊中市で39℃を越えるなど、猛暑日や熱帯夜の連続記録などです。この影響で、8月に入ってからの沖縄周辺海域の平均海面水温が30.3℃と平年より1℃上回り、これまで最高の平均海面水温だった98年と同じ程度になっている、と気象庁が発表しました。海水温は赤道直下でも31℃が上限といわれています。こうなると亜熱帯を通り越して熱帯地方です。海水温が上昇するとサンゴの白化現象が問題になってきます。サンゴの細胞内には光合成で養分を与える微小な藻類「褐虫藻」が共生しています。海水温が上がり過ぎると褐虫藻が抜け、その独特の色を失ってサンゴが白くなり死滅してしまいます。中3は11月に沖縄へ研修旅行に行きます。現地でこれらのことをシッカリ学んでくることになると思います。海水温の上昇が与える影響は、それだけではありません。海水温の高い熱帯地方で発生した台風は、通常日本近海の低い海水温で勢力を弱めることになるのですが、そうはならず発達が加速されることになってしまうのではないかと懸念されています。
 今年の夏は例外と考えていると、2010年も今年に負けず劣らずの猛暑だったとか。「喉元すぎれば熱さを忘れる」、苦しいことも過ぎてしまえば、その苦しさも簡単に忘れてしまうということですが、自然界や動植物に与える影響を考えると、そう簡単に忘れることはできません。ましてや人間の行う経済活動からくる地球温暖化が関係しているとなれば尚更です。