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「重陽の節句」

 昨日までの天気と打って変わって、久しぶりの晴天です。黄色く色付いたイネによく映える青空と、秋を感じさせる爽やかな気候の一日でした。きょうは9月9日と9が重なる日、「重陽の節句」です。
 古来から奇数は2つに割れない数で縁起の良いものとする考えがありました。そこで、奇数を「陽」、偶数を「陰」と呼んだりしていたようです。奇数と奇数を掛けても奇数ですが、奇数に奇数を加えると偶数、「陰」になってしまいます。それを避ける、厄よけの行事として考えられたのものが「五節句」です。1月だけは1月7日を「人日(じんじつ)」、3月3日を「上巳(じょうし)」、5月5日を「端午(たんご)」、7月7日を「七夕(たなばた)」、そして9月9日を「重陽(ちょうよう)」の節句としてきました。いずれも奇数に奇数を加え偶数になる日で、それぞれの節句では七草や桃、菖蒲に菊といった植物や自然の生命力をもらったり、祈りを捧げて厄よけを行ってきたものです。
 当然、国や文化風習が違えば縁起の良い数や敬遠される数も違ってきます。2より大きな素数は全て奇数というのは万国共通のものですが、、「七五三」の行事に、「五七五」の俳句や川柳、「五七五七七」の和歌や短歌といったように、私たちの周りにはたくさんの奇数があります。気候風土に生活習慣やリズムが奇数に合っているのかもしれません。