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「エルトゥールル号の遭難」

 大型の台風18号は四国沖から潮岬沖に進行中です。各地に大雨、暴風雨や土砂災害の警報が出されています。警戒が必要です。
 今から123年前、明治23年9月16日もこの様な天候だったのでしょうか。横浜港を出発しイスタンブールへの帰路についたトルコの軍艦エルトゥールル号が、串本町沖で岩礁に乗り上げ沈没するという事故が起こりました。地元住民の献身的な救助活動により69名が救助され、残りの乗員580余名が遭難したそうです。
 この件がきっかけとなり、トルコと串本町との友情と友好関係が現在まで続くこととなったそうです。トルコ政府から救援にかかった費用を支払うので、請求して欲しいとの申し入れがあったのを断り、そのお金を遭難人たちの義援金として使って欲しいと申し入れた、という記録が後世の調査研究で発見されたということもあります。
 トルコではこの献身的な救助活動を歴史教科書で子どもたちに教えているといいます。世界でまれに見る親日国、トルコの人の親日感情の形成はこういった教育によるものです。「エルトゥールル号遭難」から90数年後のイラン・イラク戦争の時、イラン出国を余儀なくされた日本人がどの飛行機も満席で乗れなくテヘラン空港で困っていた時、タイムリミット寸前にトルコ航空機が日本人216名全員を乗せて成田に向け飛び立ってくれた、ということがあります。教育の影響力とともに、「情けは人の為ならず」を実感させられる出来事です。