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TVをコントロールする生活

 乳幼児がテレビ(ビデオ)を長時間視聴することによって「親子の会話の少なさ」が生じ、乳幼児の言語の発達が遅れる。よって「2歳以下の子どもには、長時間見せないように」と日本小児科学会が、2004年に提言を出しています。
 一方で、MRIを用いた研究により、一般に生後8か月から10歳ごろまでの小児の脳の発達過程では、それまで過剰に存在していた神経細胞同士の結合(シナプス)が不要なものから除去される「刈り込み」と呼ばれる現象が起き、それに伴い大脳の“灰白質”の量も減少することが明らかにされています。
 しかし、これらの高次認知機能と関連する領域の発達と生活習慣との関連が明らかにされていませんでした。それを今回、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授、竹内光・准教授らが脳画像の解析によって、TV視聴の小児に対する悪影響の神経メカニズムを明らかにし、小児期における長時間のTV視聴が、その後の脳の発達や言語能力に悪影響を及ぼすとの研究結果を発表しました。
 今回の成果により、小児期のTVの長時間の視聴によって、脳の高次認知機能に関わる領域が影響を受け、これが長時間のTV視聴による言語能力の低下と関連することが示唆されました。TV視聴をコントロールすることが学習習慣を含めた生活習慣確立の鍵になることは間違いありません。テスト前だけでなく日常生活においてTVにコントロールされる生活ではなく、TVをコントロールする生活を確立したいものです。