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「つとめて」

 「冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもて行けば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし」。清少納言の枕草子です。「春はあけぼの」、「夏は夜」、「秋は夕暮れ」、そして「冬はつとめて」になります。
 凛とした寒さのなかに、乾いた北風が色付いた葉っぱを吹き飛ばしています。今朝はこの冬一番の冷え込みでした。今どきは、エアコンやストーブで簡単に暖がとれますので、急いで火をおこし炭を持ち運ぶ必要もありませんが、夜明けも遅く布団から抜け出しにくくなる冬です。その冬のなかでも寒さが厳しい「つとめて(早朝)」が一番とする前向きな捉え方は見習いたいものです。
 週明けから期末考査。二学期の期末考査は一年を締めくくる考査になります。「終わり良ければすべて良し」ではありませんが、力を出し切れば、気分良く一年を締めくくり、新しい年を迎えることができます。試験勉強をしていても寒さが身にこたえると思います。寒さとの戦いにもなりますが、条件が厳しいほど「やりがい」があり闘志がわく、と前向きに捉えるようになりたいものです。
 一方、きょうはアイソン彗星が太陽に最接近する日です。世紀の天体ショーが見えないところで繰り広げられています。熱や重力の影響で爆発したり燃え尽きなければ、考査の終盤には東の空に肉眼でも確認できるような明るさで輝くようです。アイソン彗星の観察は「つとめて」より夜明け前が良いようです。尾を引く彗星の姿に思いを馳せつつも、考査を頑張りましょう。