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PISAの結果発表

 経済協力開発機構(OECD)が、2012年に65カ国の地域の15歳(日本は高1)を対象に実施した国際学力到達度調査(PISA)の結果を公表しました。この調査は2000年から3年毎に行われるもので今回が5回目の調査になります。日本は読解力(前回8位)と科学的リテラシー(5位)が4位、数学的リテラシー(9位)が7位といずれも前回より良くなっていました。習熟度別では、全3分野で上位層が増え、下位層が減っていました。日本の平均点は、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の全3分野で過去最高得点でした。前々回の06年が読解力15位、科学6位、数学10位と最低でした。そこから前回、今回と順位が上がってきています。
 学力調査と同時に行われた数学に関する調査では、日本の生徒の約7割が「授業についていけないのでは」「ひどい成績を取るのでは」と感じ、「数学で学ぶ内容に興味がある」と答えたのが65カ国中62位と数学に自信の持てない日本の生徒の姿が浮き彫りになったようです。
 今回の成績の上昇は、「脱ゆとり」で学習内容が増えたことによる成果とする見方があるようです。ということは、生徒の側に責任や問題があるのではなく、教育課程を作成する側の責任や問題ということになります。何をどう学ばせるか、明確な教育目標と指導方針、生活や生き方と結びついた魅力ある学びの創造が必要だということの問題提起と受け止めなければならないと感じた次第です。