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「サントリー1万人の第九」

 師走入りは小春日和の日曜日でした。12月の第1日曜、恒例の「サントリー1万人の第九」が開催されました。大阪城国際文化スポーツホール(のちの大阪城ホール)のこけら落としの一環として開催されたのが始まりで、今年が31回目だそうです。「第九」といえば、ベートーヴェンの交響曲第九番のこと。1918年徳島県板東町(現・鳴門市)にあった俘虜収容所で、ドイツ兵捕虜により全曲演奏されたもが、「第九」の日本での初演とされています。その後、「第九」が年末の恒例行事といわれるようになったのは、戦後まもない1940年代後半、楽団員が年末年始の生活に困る状況を改善するため、年末に頻繁に演奏されるようになったという背景があるようです。
 今年の「1万人の第九」は、加山雄三さんの「君といつまでも」で第一部がスタート、いつまでも若々しい姿と歌声が印象的でした。第二部は、女優の仲間由紀恵さんが「歓喜に寄せて」を朗読した後、佐渡裕さん指揮のもと「第九」が演奏されました。小学一年生から93歳までの1万人と仙台の東北会場とを中継で結んだ「歓喜の歌」の大合唱は「感動のひと言」。いつまでも鳴り止まない拍手がそのことを雄弁に物語っていました。「すべての人は兄弟になる」、「試練を乗り越えたものに、喜びは来たる」というベートーヴェンのメッセージがひしひしと伝わるとともに、参加者に感動と勇気を与えてくれた演奏会でした。