子どもの学力は
「(上底+下底)×高さ÷2」、これは台形の面積を求める公式です。現在の中学3年生は小学校5年生の時に移行期間が始まり「台形の面積の公式」を学習していますが、高校1年生は小学校5年生まで旧課程ですからこの公式は習っていません。「ゆとり教育」の柱として、学習内容を3割減らした学習指導要領に基づき、小学校の算数ではこの公式のほか、小数第2位以下を含む計算などが教科書から消えたのです。
「今春の北海道立高校の入試で珍事が起きた。数学で台形の面積を求める問題が出て、正答率はわずか42.9%。ほぼ同じ内容が今年4月の全国学力調査テスト算数(小学6年生対象)にも出され、こちらの正答率は73.5%で、正答率だけ見れば『北海道の高1の学力は小6より低い』ということになる」。これは、日経新聞11月25日朝刊「ゆとり教育混乱は続く」の見出しで書かれた「挑む」の記事からの引用です。その直後の12月初めには、国際学力調査(PISA)で好成績を収め「日本の学力向上鮮明」、「『脱ゆとり』奏功」(朝日新聞)との新聞報道がありました。同じ旧課程の指導要領ですが、一部改訂され発展的内容も教えられるようになったことが好成績の要因とみています。どちらも同じ年齢の高1を対象にした記事です。
子どもの学力について、いろいろ意見が交わされますが、何を系統立ててどう教えるか、ここをシッカリ押さえて指導すれば子どもの学力はつけられるし、子どもはシッカリ学習するということをこの二つの記事から読み取りたい、と私は思います。