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教育予算の充実と・・・


 公立学校と私立学校への公費支出格差は大きいものがありました。ところが、日本は国連の「国際人権規約」を79年に批准しています。この規定は、中等教育や高等教育は「無償教育の漸進的な導入により、すべての者に対して機会が与えられるものとすること」という内容です。30数年間この規定を留保していましたが、撤回を表明しました。「この通告により、日本国は、平成24年9月11日から、これらの規定の適用に当たり、これらの規定にいう『特に、無償教育の漸進的な導入により』に拘束されることとなります」(外務省HPより)。これが進められると、公私間格差が改善されるものと期待されます。
 一方、公立・私立を合わせた教育機関への公財政支出はどうなっているのでしょうか。昨年5月財務省が出した「教育機関への公財政支出の対GDP(全教育段階)(2009年)」によりますと、公財政教育支出GDP比は日本が3.6%でOECD加盟国31カ国中の最下位になっています。平均は5.4%で、最高はデンマークの7.5%。同じ額が支出されているとしても、こどもの数が関係しますので、在学者一人当たりでみると平均は23.7%で、やはり1位は30.0%のデンマークです。日本は22.9%と最下位ではないものの依然として平均を下回っています。
 また、この資料のなかに、大学への進学率が、この20年間で20%以上も上昇している一方で、学力中位層の学習時間が低下している問題を指摘するデータがあります。教育予算の充実を求めると共に、目的を持って大学へ進学させる指導を強化しなければと痛感する次第です。