大きな公費支出格差
10日、文部科学省の発表した平成24年度の「子供の学習費調査」の概要は、
「1)「学習費総額」は、今回、公立では、いずれの学校種においてもほぼ横ばい。私立では、幼稚園と小学校において減少、中学校と高等学校において増加。公立学校と私立学校の学習費総額の差は,幼稚園では私立が公立の2.1倍,小学校では4.7倍, 中学校では2.9倍,高等学校では2.5倍(私立約96.7万、公立約38.6万)。
2)「学校外活動費」(学習塾、習い事などへの支出)は、公立、私立のいずれについ ても、中学校、高等学校、大学等への進学が近づくにつれて増加傾向。公立では中学3年生が、私立では小学校6年生が最多。
3)幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間において、すべて私立に通った場合は約1,677万円となり、すべて公立に通った場合(約500万円)の 3.36倍」となっています。
これを受けて新聞では、「私立中の学費、公立の2.9倍。私立高は公立の2.5倍に格差過去最大 」などと報道しています。
同じく文科省の平成24年度地方教育費調査の中間報告について(平成25年9月5日発表)の概要では、
「 1)平成23年度に支出された地方教育費総額は学校教育費、社会教育費ともに平成8年度以降緩やかな減少傾向。
2)このうち、学校教育費は13兆3,601億円となり、前年度と比べて3,129億円(2.3%)減少。
3)学校教育費のうち、小学校、中学校及び高等学校(全日制)の在学者一人当たりの学校教育費は、小学校は89万9千円(対前年度伸び率△1.0%)、中学校は 104万6千円(同△2.5%)、高等学校(全日制)は110万3千円 (同△2.1%)となり、いずれも減少(上記グラフ)」となっています。
一方、日本私立中学高学校連合会調査では、私立高校生徒一人当たりの公費支出額は約35.6万円(22年度、授業料等軽減補助、施設設備費補助等を含む)となっています。同年度公立は112.7万円ですので、「公費支出格差は約3.2倍」と「学習費総額の格差2.5倍」より大きくなっています。