« 来週から後期入試 | メイン | 国公立大学前期の結果判明 »

「二重課題干渉」

 最近、携帯やスマートフォンを操作しながら歩いている人やひどい場合は自転車に乗りながらとか車を運転しながらという危険なものも見かけたりします。このような、二つの課題を同時に行おうとするとうまくいかない現象は「二重課題干渉」としてよく知られているところです。
 二つの異なる課題がそれぞれ、注意や記憶、思考など、認知機能を担う脳の前頭連合野の共通の神経細胞集団を同時かつ過剰に動員しようとするのですが、「神経細胞が限られているため、互いに干渉しあって活動を抑制してしまう」ということを船橋新太郎京都大学教授(こころの未来研究センター)らが先日発表しています。
 車を運転しながらのおしゃべり、脇見運転などは「二重課題干渉」になります。注意力や認知機能が低下し危険なことになります。ましてや携帯電話を操作しながらとなると以ての外です。運転中は一つのことに集中し能力を最大限に発揮できるようにしなければなりません。
 昔から、ラジオを聴きながら勉強する「ながら勉強」がありました。静かな音楽などをBGMとして流しながらの方が効果が上がるという人もいますが、最大限に能力を発揮するにはやはり一つのことに集中した方が効果が上がるということです。完璧に遮音された環境はありません。周りの雑音等は避けられない時があります。頭の中をいろんな思いが去来することもあるでしょう。そこは、一つのことに打ち込む「ゾーンに入る」という状態まで集中力を高めるということが必要になります。これは日常の訓練から獲得されるものです。やはり「日々精進」ということになりそうです。