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「コピー・アンド・ペースト」

 「コピー・アンド・ペースト」略して「コピペ」はパソコンの操作で、画面上の大量の文書や画像をマウスの操作一つで簡単に複写したり移動させることができる便利な機能です。文章の構成を変更したり、組み替えたりする時に、消しゴムで消して、また書き直すと言う手間がなくなります。この便利な機能ですが、他人の文章や著作物を「コピペ」して自分の文章に使用すると大きな問題になります。STAP細胞の論文でも問題とされているところです。
 「コピペ」ではなく文章を書き写す。これは書写です。学校教育のなかでは小・中学校の国語の言語事項に位置づけられています。名文や美しい文章を書き写すことのなかには、「まねぶ=学ぶ」と言う大切な教育的要素が含まれています。文章力向上のために新聞のコラムの書き写しもよく行なわれる行為です。最近では、各社がコラムの行数や文字数にあった書き写しノートを作成しているほどです。また、古くから写経というものも行なわれてきました。仏教の経典を書き写す(書写)ことです。300字足らずのお経、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」の写経はよく知られているところです。
 文章の盗用に使用するものは別として、資料を「コピペ」で残すのも自分で必要なところを入力するのも見た目は同じです。でも、記憶の残り方として違うように感じます。また、最近は手書きのメモを後でテキスト変換してくれるものもありますが、パソコンで入力した文章と書写した文章は同じものでも残るものは違うように感じます。見たものを体を使ってその通り「まね」たり書き写す。大切な教育的手法です。反対に便利さと引き換えに大切なものを失う危険性のはらむ「コピペ」の使い方は注意が必要です。