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待ったなしの地球温暖化対策

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第3作業部会は、13日新たな報告書を公表しました。
 その内容は、世界の気温上昇を産業革命前と比べ2℃未満に抑える国際目標を達成するには、2050年までにCO2などの温室効果ガスを10年比40〜70%減らし、今世紀末にはほぼゼロにするとともに、エネルギー効率をより急速に改善すると同時にゼロカーボン及び低炭素エネルギーの供給比率を10年比3〜4倍に増やす必要があるとするものでした。
 また、過去40年間に人間の活動によって出されたとするCO2が、1750年から2010年までの累積排出量の半分を占めていると指摘。経済成長と人口増が大きな要因だと分析しています。特に最後の10年の排出増加量がより大きく、このまま放置すると今世紀末には産業革命前の水準と比べ世界平均地上気温が3.7〜4.8℃上昇するとしています。
 大気の温度上昇は地球表面の7割を占める海洋に影響を与えます。「過去50年間の地球温暖化の熱エネルギーの8割以上は海洋に吸収」(気象庁の知識・解説)されると共に、「人間活動によって放出されたCO2の約3分の1を海洋が吸収し」(同)、地球温暖化の進行をやわらげたり、大気中のCO2の濃度の上昇を抑える役割を担ってきましたが、そのことにより海洋温暖化や海洋酸性化といった新たな問題を引き起こしています。長期間にわたる気候変動や生態系の変化、海面水位の上昇などが懸念されます。地球温暖化対策は待ったなしの喫緊の課題です。