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海水温の変化が生態系を変える

 「関電、節電数値目標は回避へ 原発ゼロでも今夏余力3%」今朝の朝日新聞一面に出ている記事の見出しです。関電管内だけでなく、国内の原発は何れも再稼働されていません。原発のある周辺の海で変化が表れているようです。
 およそ2年前、福井新聞が「原発温排水利用の養殖魚冬越せず 高浜、運転停止での低水温が要因」という記事を掲載しました。「福井県高浜町の内浦湾で高浜原発の温排水を利用して養殖しているシマアジなど暖海性の魚介類の約3分の1が、今冬から春にかけて死んだことが県の調査で分かった。原発の運転停止によって温排水が止まり、冬場の海水温が下がったのが主な要因とみている」というものでした。シマアジ、カンパチは元来、九州や四国が本場の暖海性の魚です。県の調査では、内浦湾の表面海水温は運転停止後の2月下旬から3月中旬までは9.7~9.9℃で推移し、過去3年平均の11.8℃より約2℃低かったようです。
 一方、先週の土曜日(12日)にMBS「報道特集」というTV番組で、同じ高浜原発のある若狭湾の海を取材し、「原発停止後に南方系の生き物が消えて、現在は海藻の一種、ホンダワラが生い茂っていた。今目立つのは、サザエやムラサキウニなど冬の日本海ではよく見られる生き物たち」と伝えていました。原発稼働中にはサザエやムラサキウニはほとんど見られず、南方系のウニの仲間、ガンガゼがよく見られたそうですが、原発がすべて停止した2週間後には死んでいたそうです。「再稼働に賛成・反対と言う前に、原発が周囲の環境にどのような影響を与えるのか、もっと詳しく知る必要があると思います」と取材した記者は締めくくっていました。