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デッドポイントの先には

 長距離走において、デッドポイントというものがあるそうです。走り出したら間もなく一時的な酸素不足になり苦しくなる状態を指します。まだスタートしたばかりなのに、こんなに苦しくてこれから先のまだまだ長い距離を走れるだろうかと不安になったりします。これは、呼吸器や循環器の機能が長距離走に対応するまでに時間がかかることから起こる現象とされています。他の競技にも似たような現象があります。しかし、この苦しいデッドポイントはいつまでも続くものではく、体の諸機能が順応してくると苦しくなった後に体が軽くなってすいすい走れるような感覚、セカンドウィンド(第二呼吸)を味わうことができるといいます。
 新年度がスタートし、新たな気持ちで課題に取り組み新しい習慣を身に付けるべく努力を続けてきているなかで、生徒も私たち教員もちょうどデッドポイントに似たような症状を迎えているのが今頃の時期だと思います。新しい課題や取り組みは授業だけではありません。ゴールデンウィーク明けに行なわれる体育大会に向けての準備もあります。生徒数が増えたということもありますが、個々の生徒の活動する機会を多くする、中学校は中学生の手で企画・運営する、ということを考慮して中学と高校を分けて体育大会を実施することにしました。単に別々に開催するというだけでなく、今までの良さを継承しながら行なうということです。計画や準備に新たな課題がでてきます。部活動も新入部員を迎え新たな活動が展開されようとしているところです。デッドポイントの先のセカンドウインドはもうそこでしょう。