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「ローマは一日にして成らず」

 私たちは練習を繰り返すことで、ピアノ演奏や野球、水泳など様々な運動において難しいスキルを上達させることができます。このような練習によって脳に蓄えられた情報は「手続き記憶」とも呼ばれるそうです。この「手続き記憶」の形成を自然科学研究機構基礎生物学研究所は、マウスを使った実験で脳内の細胞・回路レベルで解明しました。運動がある程度のレベルに達してからも、がんばって練習を続けると難しいスキルでも無意識にできるようになるのは、その運動を自動的に生み出すための新しい回路が大脳皮質深部の神経細胞活動パターンとして記憶されることによると考えているそうです。
 繰り返し練習することにより脳内に新しい回路をつくることになります。回路ができるまでには一定量の時間が必要となります。各分野で活躍している名選手の華麗なテクニックも脳内に回路が形成されるまで練習を続けたから身に付いたものと言えます。「ローマは一日にして成らず」。何事も成果を収めるようになるまでには時間がかかる、継続して努力を続けないといけないということです。
 6月を迎え一学期も半分が過ぎようとしています。4・5月を振り返り、身に付けたい新しいスキル、必要とするスキルが明らかになってきたと思います。これを獲得するため、脳内に新しい回路ができるまで継続した練習が必要となります。それを実行する期間が6月といえそうです。