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地中海の海水が滝のように

 一見何事も無く穏やかに見え、順調に推移しているものでも内部では大きな動きがあります。温暖な気候、まばゆい太陽の形容がピッタリの地中海はユーラシア大陸とアフリカ大陸に囲まれ、西側に位置するスペインとモロッコに挟まれたジブラルタル海峡により外海、大西洋とつながる内海です。スエズ運河ができるまではこの海峡を通ってしか外洋に出られませんでした。狭い海峡に挟まれた地中海は蒸発により海水の塩分濃度が高くなります。塩分濃度が高くなると海水は重くなり、浅いジブラルタル海峡から深い大西洋に向かって滝のように深層海流が流れています。表面は反対に大西洋から地中海へと西から東へ流れ、深いところでは東から西に流れています。
 地球の7割を占める大きな海となるともっと大きな変化が起こっています。北大西洋と南極大陸付近では冷やされて重くなった海水が深層に潜り込み、北半球では南下、南半球では北上した深層の海流がインド洋から太平洋に流れ込み北上しています。ベーリング海峡付近が浅いので海流が浮上して南下し、深層とは逆方向に流れる海洋大循環がおこっていると考えられています。比熱の大きな海水が太陽から得た熱を地球上の各地へ運び気温差を和らげ、気候変動を制御する働きをしています。
 4月からスタートした新学期も体育大会や中間考査など諸行事を乗り越えてきました。この流れを更に加速させ期末考査へと確かな大きな流れとすることが、一年の流れを安定させることになります。その為には深層での安定した十分な家庭学習の大きな流れなくして成り立たないことを見逃してはいけません。