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「夏至、乃東枯(なつかれくさ かるる)」

 昨日の神戸地区の日の出は午前4時46分、日の入りが午後7時16分でした。一年で最も昼が長い夏至でした。昼の長さは14時間30分ということになります。これから昼の長さが冬至に向けだんだん短くなっていきます。
 昼の長さや太陽の南中高度の変化、季節の移り変わりは地軸が傾いているから起こる現象です。地軸は公転面に対して約23.4度傾いています。この傾きによって北緯約66.6度地点では夏至には太陽が沈まない白夜となり、それより以北の地点では夏至を挟んでその前後の期間が白夜となります。冬至ではその逆となり太陽が昇らない日がでてくることになります。地軸の傾きはこのような幻想的な演出もします。日本には季節が明確に変化する四季があると言われます。これも地軸の傾きがなせる技です。誰が傾けたのか粋な計らいをしたものです。
 昨日から二十四節気の「夏至」、それを更に細かく分けた七十二候では「乃東枯(なつかれくさ かるる)」に入っています。乃東とは夏枯草のことで、田んぼの畦などでよく見かけられる紫色のきれいな花を咲かせているウツボグサのことです。ウツボグサは多くの草木が枯れる冬至の頃に芽吹き、反対に多くの草木が成長し緑が濃くなる夏至の頃に枯れていくことから夏至の初候「乃東枯」となっているようです。同じ環境でも違う育ち方をするものが存在するのが自然界です。大きな流れ大勢に目を向けることは大切なことですが、それとは違う小さな流れも見逃さなずそこに焦点をあてて捉えるという見方を大切にしたいものです。