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「行百里者半於九十」

 期末考査も3日目を迎えようとしています。5日間の日程では、中日ということになります。人によっては、得意な科目がまだ沢山残っているとか、その反対に苦手科目がまだ終わっていないということもあると思います。しかし、考査になると得意とか苦手とは言ってられません。それぞれに対策を立てて乗り切る必要があります。
 中国の戦国時代の逸話をまとめた書物に「戦国策」という本があります。その中に「行百里者半於九十(百里を行くものは、九十を半ばとす)」というものがあります。百里の半分を五十里と考えず九十里行ってからやっと半分が済んだと考えなさいという教えです。考査日程で言えば、この言葉を引用するまでもなく、まだ半分が済んでいません。日程のことではなく、それぞれの科目の試験範囲の学習においてこの教えを活かして欲しいということです。試験範囲が100ページあったとして、50ページ終わったから半分が済んだと考えてはいけない。単にページ数のことだけを言っているのではありません。問題や単元・分野の理解において、ほぼ理解(90%)できたとしても、まだ半分しか理解できていないと考えておかないといけないということです。「戦国策」では、この言葉のあとに「此言末路之難(これ末路の難を言ふ)」と続いています。あと少し残った道に何が待ち構えているか分からない。それを乗り越えて初めてやり終えたことになる、最後まで気を抜かない、ツメが大切だと言った言葉です。
 日程から行っても半分が済んでいません。「百里の半ばを九十九里とする超数学を知らなければならぬ(芥川龍之介『侏儒の言葉』)」。九十ではまだダメで、九十九で半ばとする考えもあります。