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学びの基本は「まねる」

 きょうの午後、宝塚東消防署の救急隊員の方をお招きし、教員対象の「心肺蘇生法とAED」の講習を行ないました。本校には、中央棟の玄関や体育館、グランドの3カ所にAEDが設置されています。迅速な心肺蘇生とAEDの使用は確実に救命率を上げることになります。あってはならないことですが、もしもの時に備えた訓練です。救急隊員の方の一つひとつの動作を忠実に再現すべく全教職員努力していました。
 赤ちゃんは親の口まねで言葉を覚えていきます。書写は手本となる字を忠実に再現しようと努力します。各種スポーツも指導者の模範となる動きをイメージして練習します。学習もスポーツも「まねる」ことが大切になっています。
 肺結核のため31歳という若さで亡くなった梶井基次郎は、高校の現代文の教科書にも出てくる「檸檬」で有名な大阪生まれの作家です。彼は、京都大学の前身である旧制三高時代から志賀直哉に傾倒し、一字一句、句読点も含めて小説を原稿用紙にそのまま書き写して志賀直哉の文体、文章の息づかいまでもを学ぼうとしたそうです。ここにも師と仰ぐべき人を「まねる」ことから始めている姿があります。学びの基本となるキーワードは「まねる」だと私は思います。
 期末考査も3日目が終わりました。試験勉強も学習したことをもう一度学び直す。再現・模倣することになります。このことを徹底して行なうことにより自分の学習スタイル、学びを確立していくことになります。先生も生徒も同じです。こうなりたい、こうしたいとする手本や生き方を「まねる」ことがスタートです。