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脳科学に基づく効果的学習法

 すっきりとした夏空とはいきませんが、雨が降らずに晴れの日が続いています。夏休みも大詰め、あと数日となりました。当初の計画や予定はどうなったでしょうか。課題に追われている日々が続いているのではないでしょうか。
 「学問に王道なし」。ギリシャの数学者ユークリッドが、エジプトの王様に「もっと簡単に幾何学を学ぶ方法はないのか」と聞かれた時に答えた言葉だとされています。まさにその通りなのですが、だからと言って、ただ闇雲にやればいいと言うのではありません。脳科学に基づく法則性に従った効果的学習法がある筈です。
 『受験脳の作り方』や『脳はなにかと言い訳する』などの著者である東京大学薬学部の池谷裕二教授は、「脳は『覚えること』より『覚えないこと』を得意としている」と言います。だから、生命に関わるほどの重要な情報だと脳をダマすために、何度も繰り返す「勉強は反復」だと。潜在的な記憶の保存期間は1ヶ月ほどと考えられているので、間隔をあけながら4回程度2ヶ月かけて復習すれば良いようです。その時に「ノートに書く」だけではなく「声に出して読む」などいろいろな方法でやると効果的だと言っています。
 また、脳が情報を取捨選択する時は覚える回数(入力)より、むしろ使う頻度(出力)の方で判断するという特性があるそうです。教科書や参考書を繰り返し覚えるよりも、問題集を何度も解く復習が良いとされるのはここからきていると言います。
 あと、いろいろな事象や知識を丸暗記にするだけでなく、興味づけや感情を移入することにより記憶が促進されるとか、空腹時に学習する方が記憶力が高まるなど興味深い指摘があります。これらを参考にしながら「自分の学習法」を確立してはどうでしょうか。