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「鶺鴒鳴(せきれい なく)」

 中秋の名月も過ぎ、朝晩はめっきり涼しく、少し肌寒く感じます。草に朝露が輝き「白露」に相応しい季節になつてきました。今年は季節の進みが早く感じられます。
 きょうは二十四節季「白露」の次候、七十二候の44番目にあたる「鶺鴒鳴(せきれい なく)」です。セキレイは、校庭の芝生でも時々見かけることがありますが、長い尾を上下に小気味よく振る子鳥です。北辰一刀流基本の構えとされる「鶺鴒の構え」は、この尾の如く剣先を上下に動かしつつ斬撃の機会を伺うものとされています。刀や竹刀を力一杯握りしめていては、セキレイの尾の如くは動きません。この様な動きができるためには、基本に則った正しい持ち方が必要とされます。「太刀のとりやうは大ゆび人さしゆびを浮ける心にもち、丈高指(中指)はしめずゆるまず、くすし指小指をしむる心にして持つ也。手の内にはくつろぎの有る事あ(悪)しし」。宮本武蔵の著とされる「五輪書 水之巻 太刀の持ちやうの事」にはこの様に記されています。「手のひらに卵や小鳥を包むようにそっと握る」、しかも緩みや遊びがあってはいけません。ゴルフクラブを握るグリップも同じ要領だとされています。また、肘や腕、肩に力が入っていては正しい持ち方はできません。腰の備えや立ち方など姿勢や呼吸も関係してきます。
 理にかなった動き、そのためには、部分だけにとらわれず、それを可能にする準備も含め全体を俯瞰しながら部分を観る、それなしにナイスショットは期待できないようです。「我以外皆我師(宮本武蔵)」、セキレイから教えられる事が沢山ありそうです。