伊江島での民泊
本部半島の北西約9km、東西8.4km、南北3km、周囲22.4kmの位置にあり、北海岸は約60mの断崖絶壁、南海岸はほとんど砂浜で、島の中央よりやや東よりに、海抜172mのタッチューと呼ばれる城山(ぐすくやま)がそびえ立っているのが伊江島です。城山に登れば視界は360度、島全体が見渡せる島です。この島は、太平洋戦争の終盤、住民のおよそ半数が命を落とす、過酷な地上戦の舞台となったところでもあります。現在は2,212世帯4,740人(伊江村の資料)が生活し、産業としては花卉(かき)、サトウキビやタバコの生産などの農業、畜産業、漁業、観光業などが行われています。
この島で民家体験泊を行うようになって9回目となります。数人のグループに分かれて各民家で2泊します。家業を手伝ったり、マリンスポーツに出かける送り迎えや島を案内していただいたり、夜は三線を教えてもらったり、「おじい、おばあの話」を聞いたりして2日間を過ごします。今までも多くの先輩が体験し、家族のこと親子の関係についてなどを考える契機になったりしています。毎度のことですが、入村式の時は緊張感が漂っていますがすぐに打ち解け「家族の一員」になり、島を出るときは「涙の別れ」となります。島には高校がなく、島の子どもたちは中学を卒業すると親元を離れ本島の高校に進学する「自立の早い島」です。ここでの僅か2日間の生活ですが、生徒たちは多くのものを学び体感して帰ってくることになるでしょう。島の人たちは「行ってらっしゃい」の言葉で送り出してくれます。第二の故郷の誕生になってくれればと思います。