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「当たり前と思ってはいけない」

 過日、高校一年生のオリエンテーション合宿が大阪アカデミアで行われました。高校生活のスタートをスムーズにきるため、基本的なルールや学習方法を知るために開催されたものです。
校長講話の時間があり生徒のみなさんに少しお話しました。それは「当たり前と思ってはいけない」ということです。以下話の内容です。

 みなさんは学校に行くことなど当然と思っているかもしれません。しかし世の中には学校に行きたくても行けない子どもたちがいるのです。世界にはむしろそのような子どもたちのほうが多いかもしれません。
 昨年私は「世界の果ての通学路」というドキュメンタリー映画を見ました。ケニアでは通学に片道2時間もかけて学校に行く子どももいます。途中には危険なライオンや象などの猛獣もいます。四方八方に気を配りながら、時には岩陰に隠れながら急ぎ足で学校を目指します。まさに命がけの通学です。

 それでも学校に行きたくないとは言いません。それは子どもたちには学校に行ってしっかり勉強して、そして早く仕事について親を喜ばせたい、看護師になって病気の人を助けたいと思っているからです。

 それに対して皆さんはどれだけ恵まれていることでしょう。今おかれている環境をしっかりと認識してください。学校に行くことがつまらないとか面白くないとか言っておられませんよ。

 雲雀丘学園は駅から数分、それも駅の改札口から生徒専用の通学路があります。こんな恵まれた環境にあるのです。それでも遅刻する生徒はいます。残念なことです。
もっと社会を知り世界を知ることで、今、自分の置かれた状況がどれほどのものであるかを認識すること、これは自らの成長に欠かすことはできません。

 私の講話を聴いていた先生の提案でその映画のDVDを図書館に置かれることになりました。この「世界の果ての通学路」を生徒のみならず先生にも見ていただきたいと思っています。

 さて自己紹介が遅れてしまいました。影浦前校長先生の後を受け、この四月から校長に就任しました岡村美孝です。どうぞよろしくお願いします。