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親孝行・やってみなはれ
2022年03月07日
「祖母が孫に伝えたかったこと」
よく旅行する家族でした。特に、母親が旅好きだったようで、毎年国内のどこかに出かけていたことを思い出します。
そんな家族旅行の中で、印象に残る旅の一つに中学1年生の時に連れられた広島があります。その時どこに行ったか覚えていないのは、原爆資料館の印象があまりに強かったからだと思っています。
その経験から、自分も長女が小学5年になった時、広島に連れて行きました。偶然そのあと、小学校で「原爆投下は正しかったか」というディベートが行われ、半分ずつに分かれたと聞きました。娘が、「広島を見たら原爆投下が正しいとは思えない、でもそれを伝えられなくて悔しかった」と泣いていたことを思い出しました。
両親の家には夏休みに娘を連れて行くのが恒例でしたが、「疎開した時、空襲で大阪の街が赤く染まっているのを弟の手を握りしめながら見ていた」話を時々してくれました。ちゃんと孫娘たちにも伝わっていると思います。今テレビでは、ウクライナ情勢が刻々と報道されています。事態が深刻化しつつあることを懸念し、一日も早い休戦が成立することを祈りながら、ブログを書かせて頂きました。
実体験した方々の高齢化で、伝承が難しくなっていますが、数少ない広島のような現場を見て考えることは大事です。改めて、それを教えてくれた母に感謝を伝えたいのですが、5年前から認知症になりました。今は、孫からのプレゼントの熊の人形を抱いてずっと窓の外を見ています。
(事務局長 永井 真三)