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2025年04月11日

父の昔語りから

父が3歳の時です。特に悪気もなく、玄関の上がり口をナイフで削ってみたことがあったそうです。しばらくして、その傷をみると、綺麗にサンドペーパーで削られていて、その時、本当に初めて、悪いことをした、もう二度とこんなことはしない、と思った。と言うのです。
恥ずかしながら、これまで父に叱られたことが全くと言っていいほどありません。おかげでこんな気の利かない人間に育っちゃって…とお門違いの思いを少々抱えていた私は、父はずっと私の気づきを信じて見守っていてくれたのだと知りました。導きたい思いがあればあるほど、待つこと、子どもの力を信じて支援することは、ジリジリとした忍耐が必要だったことかと思います。触ってケガをしないようにと、そっと傷を保護してくれた親の思いが、どんな言葉よりも父に伝わったように、生徒一人一人が本来持っている力を信じ、支える気持ちを繋いでいきたいと思います。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 生徒部 養護教諭 MO)