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親孝行・やってみなはれ
2023年03月17日
無言の「ありがとう」
私は中学3年生の時、学校主催の海外語学研修に参加し、ホームステイを3週間経験しました。
生まれて初めてのホームステイということもあり、たくさんの驚き、ショック、不便を感じましたが、楽しかった思い出で満たされ、今の私の原点となっています。
中でも、研修中の記憶と同じくらい鮮明に思い出すのは、帰国日に自宅で食べた母の料理です。
特別豪華な食材を使ったわけではなく、慣れ親しんだ私の好物ばかりが食卓に並べられていました。
たった3週間ぶりの自宅での夕食。今まで何気なく当たり前に食べていた、ごく普通の夕食でした。
しかし、一口食べ、また一口と食べ進めていると、なぜか涙が溢れ出てきて、泣いているのがバレないようにしようと必死でした。
当時は思春期真っ只中ということもあり、面と向かって「ご飯を作ってくれてありがとう」「美味しかった」などと言った記憶はありません。
その時も「おいしい」や「ありがとう」という言葉を直接言うことはできませんでしたが、一生忘れることができない最高の夕食でした。
大人になり、当時のことを母親と話していた時に初めて知りましたが、私が泣きながら黙々と食事する姿が、母にとっては無言の「ありがとう」と受け取ったそうです。
家族の大切さとありがたさに触れた、あの日のできごとを大切にし、これからもできる限りの親孝行をしていきます。
(雲雀丘学園中学校・高等学校 グローバル探究部 森川 大伍)