課外アクティビティー
水曜日の午後は初めてのアクティビティー「ロープコース」に行きました。バスで20分さらに片道30分近く山道を歩いた渓谷の中にあるアスレティック施設です。地元の中高生が校外学習で利用する所で、インストラクターのジョンとディアンは完全なNZイングリッシュを話します。授業で聞くジャン先生の英語とは違うので、本当の実践的リスニングです。’Check it’という単語が何度聞いても’chicken’に聞こえてしまします。「安全確認しなさい」と言われるたびに「臆病者」と言われて励まされている気分になります。
この施設には10メートル近い高さのポールがたくさんあり、その一番高いところにはワイヤーやつり橋でポールの間をつないでいます。まず3人でチームを作り、一人が命綱をつけてポールを頂上までよじ登り、ワイヤーの上を進んでいきます。ポールの真ん中くらいのところまで来たら、そこから地上に吊るされながら降りていきます。その間、地上の二人は滑車でつながれている命綱をコントロールしながらクライマーの安全を確保しているというものです。
終わってからのインストラクターの説明によると、この活動を通じて感じてほしいメッセージがあるとのことでした。
まずはComfort Zone(安心できる場所)についてです。人は誰でも安全な所を求めますが、そのエリアにいる限りは挑戦したり失敗して工夫したりするチャンスがなく、結局は成功体験をすることができず、退屈な生活になってします。人生も同じように、少しのリスクを覚悟してでもComfort Zoneを抜け出してチャレンジしてみようという教訓です。確かに最初は初めての経験で怖がっていた生徒もいましたが、やってみて自信と達成感を感じた生徒もいました。
二つ目は選択と責任です。このアクティビティーは自分で目標レベルが設定でき、それに向かってチャレンジすることが出来ます。ポールの高さから綱渡りの難易度まで選択してその人なりの成功体験ができます。さらにしっかり説明を聞いて、安全確認を自分でして納得した上で自分の目標にチャレンジするのですから、それに伴う安全に対しても自己責任を持つようになります。社会の中でも同じように、自分で判断したことに自己責任を持って行動しようという教訓です。今まさにNZ生活が始まったばかりで、これから社会に飛び出すみなさんにぴったりのメッセージです。
最後は信頼と協力です。このアクティビティーでは、一人のために二人が地上で助けています。綱を渡る人は地上の二人を信用して、声を掛け合いながらポールを登り、綱を渡り、地上に降りてきます。このお互いの立場を交互に経験し、人と人とのつながりを実感してほしいという意図です。みなさんも友人とホストと先生やスタッフと信頼関係を築き、助けられ時にいは助ける存在になってNZ滞在を充実させてください。
さすが教育の国NZです。このような活動の中にも深い意味が込められているとは。
この日は久しぶりに体を動かし長い時間歩きましたが、翌朝は遅れることなく登校して元気な顔を見せてくれました。