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シリーズ――オレの大学・ウチの学校(1)

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caution.jpg帯広畜産大学(北海道帯広市) 十勝平野の中央に位置し,国立大学で唯一の獣医・農畜産学系の単科大学。 「生物資源」とか「生物生産」とか名前が変わる中,「畜産」と謳っているのはもはやここだけになった。獣医学科・畜 産科学科および短期大学に相当する別科がある。センター得点率獣医学科87%,畜産科学科72%は平均的。
caution.jpg東北大学(宮城県仙台市) 1907年,東大・京大に次ぐ三番目の帝国大学として創立。かのアインシュタインも訪れ,その先進性に脅威を感じたという理学部や「ミスター半導体」西澤潤一氏,ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏を輩出した工学部等,決して東大・京大に見劣りしない。事実,理学部・工学部は阪大より難しい。地方にあるからといって軽んじてはいけない。大学ランキングでも,「進学して伸びた」大学全国1位にランキングされるほど,評価 は高い。杜の都・仙台にあって,帝国大学で初めて女子を受け入れた自由な気風をもつ,まさに「大学」らしい大学。資格がどうの,免許はこれこれとか,そんなことは宣伝しない。あくまでも研究の学徒に徹する大学である。
caution.jpg筑波大学(茨城県つくば市) 筑波大学については以前紹介したので,ここでは省略。一般入試は,文系学群では意外にセンター試験の受験教科数が少なく,5教科5科目,4教科4科目というところもある。その分,個別試験の比重が大きい。理系学群はその逆で,センター試験は大体5教科7科目,個別試験の比重は同等か低い。AO入試も行っているが,あまり熱心ではなく,むしろ推薦入試が盛ん。
推薦入試
出願資格:成績概評A段階の者。志望学類に優れた能力を持つ者。
出願期間:11月1日~7日
試 験 日:11月28・29日 小論文(英語の学力試験や専門試験を行う学類がある)・面接(口頭試問を含む)体育学群・芸術学群は実技があります。
caution.jpg電気通信大学(東京都調布市) 知っている人は知ってる,知らない人は知らない,その道では超有名な大学。「工学部」ではなくて「電気通信学部」という。名前の通り,ITからロボットまで研究している。就職率98%,国公立の中では一番よく,大学院卒者の就職率も99%を誇る。「入って安心,出ても安心」。
 案外知られていないが夜間主コースがある。難易は格段に易しい(大阪工大と同程度)。もちろん途中から昼間主に変わることはできないが,卒業するときは同じ扱い。しかも両コースとも前期だけでなく,後期,推薦入試(定員の10%)を行っている。その上,昼間主では個別試験のみの得点だけで合否を判定する仕組みがある(前期50名以内,後期25名以内)。夜間主コースでも,センターのみ,個別試験のみで選考する枠(前期5名以内,後期3名以内)がある。私立型の3教科に強い人は受けてみたらいい。
推薦入試(昼間主・夜間主コースとも同じ)
出願資格:評定平均4.0以上,または,数・理の評定平均4.5以上。数Ⅲ,物Ⅱ,化Ⅱを履修していること 出願期間:11月1日~7日
試 験 日:11月14・15日 小論文・面接・推薦書・志望理由書
caution.jpg都留文科大学(山梨県都留市) 小さな町が持つ公立大学なのに,割に全国的に名が通っていて,伝統的に教員養成に強い大学。推薦入試もあるが,前期日程は個別試験を課さない,センターの点数だけで合否を判定する方式。また,中期日程も行っていて,受験しやすい。大阪会場で受験できる。
caution.jpg名古屋大学経済学部(名古屋市千種区) トヨタの景気を背景に,いまもっとも活気がある中部地方の中心にあって,名古屋高商の流れをくむ伝統校。さすがに就職がいい。難関校の中で最も早く推薦入試を取り入れたことで注目された。
caution.jpg三重大学(三重県津市) 教育学部も強いが,元々農林学校から始まったこともあり,今でも医学部・生物資源学 部に象徴されるように理系中心の国立大学。大阪と名古屋の狭間にあって,ミエてないけれど(しゃれです)附属練習船を持つなど,なかなかの設備を誇っています。だけど,医学部・教育学部をのぞいてそんなに難しくなく,理系 諸君にとって工学部・生物資源学部はねらい目である。ただし,推薦入試は一般入試より難しい。三重は伊勢エビ・アワビ・カキの美味しいところ,高いけど松坂肉も美味しい。関係ないけど。
caution.jpg大阪大学理学部/工学部/基礎工学部(豊中市・吹田市) ここんとこ,ダーティーなニュースばっかり聞くけど,どないゆうても阪大は阪大や。この本で紹介していることは専門的で,高校の兄ちゃんらにはごっつう難し。簡単 に読まれへんやろな。ひょっとしたら,これぐらいわかっとかなあかんでってゆうてんのかもしれんわ。ま,いっぺん読んでみてみぃ。「Q&A」だけ読んでもおもろいで。(以上,大阪弁で書いてみました)
caution.jpg大阪外国語大学(箕面市) 大正10(1921)年,大阪の実業家・林蝶子女史が寄付した私財を元に,上本町に官立大阪外国語学校を設立したのが始まり。1979年に現在の地に移転。阪大と統合し,外国語学部となることはすでに聞いているでしょう。その結果,「阪大」狙いが増えるかもしれません。
caution.jpg神戸市看護大学(神戸市西区) 1996年,それまでの看護短大から四年制に移行した。もちろん男女共学だが,圧倒的に女子が多い。大学案内の写真から男子を見つけるのも「間違いさがし」ゲームに近い。
caution.jpg神戸市外国語大学(神戸市西区) 来年4月から独立法人化する。それに伴って,入試制度の変更がある。推薦入試も行っているが,神戸市在住者か神戸市内の高校に通学している者に限られ,しかも定員の5%だけ。
◆兵庫教育大学(兵庫県加東市) 京都教育大・大阪教育大・奈良教育大学と違い,明治初期の師範学校から始まった教育大ではないので,歴史がない。また,教員大学というイメージが強く,神戸からでもバスで1時間30分かかるところにあることも災いし,在学生の60%が地元兵庫県出身者であるところも他の教育大と異なる。
caution.jpg奈良県立大学(奈良市) 高3諸君にとっては「何言うてんの?」という感じで,意味がわからないでしょうが,夜間部(午後から授業を始める)しかなかった奈良県立大学が,ふつうに昼間部をひらく大学に変わる。しかも,定員が50名増え,推薦入試を2回行い,センター試験も3教科で受験できる。それも中期日程で!文系受験者にとってはもう1回チャンスが増えるので,相当,併願者が増えると思います。ただし,小論文の比率が高いので,その対策が必要でしょう。
推薦入試
第1回
出願資格:専願。  出願期間:11月1日~6日
試 験 日:11月29日・30日 口頭試験。センター試験を課さない。
第2回
出願資格:専願。  出願期間:1月4日~9日
試 験 日:1月23日 小論文・面接。センター試験を課さない。
◆岡山県立大学(岡山県総社市) 保健福祉学部(看護・栄養・保健福祉学科),情報工学部(情報通信・情報システム・スポーツシステム工学科),デザイン学部(デザイン工学・造形デザイン学科)がある。推薦(岡山県内の高校のみ)・帰国子女・一般入試を行う。
caution.jpg水産大学校(山口県下関市) 農林水産省管轄の大学校。前身は,1941(昭和16)年朝鮮総督府によって創立された釜山高等水産学校。昭和20年の敗戦に伴い,引き揚げ学生を受け入れるため,昭和21年に水産講習所(現東京海洋大学)下関分所を開設,昭和38年水産大学校と改称して現在に至る。水産情報経営学科・海洋生産管理学科・海洋機械工学科・食品科学科・生物生産学科よりなる。卒業後は,漁業関係だけでなく,一般食品会社も。
 なお,海洋機械工学科を卒業後続いて専攻科に進学すると,船舶機関士の資格が取得できる。また,どの学科も,他大学大学院への進学も多い。 この点を考えると,水産大学校もいいかもしれない。水産=海しかない!と固定的に思わないことです。
推薦入試
(1)現役または浪人生で,食品科学・生物生産学科は3.7以上,その他は3.5以上。
(2)基礎学力試験(英語Ⅰ,数学ⅠA程度)・面接により選考する。
(3)出願:10月26日~11月2日  試験日:11月18日 一般試験(センター試験は受けなくてよい)
出願:1月10日~26日  試験日:2月11日(代々木ゼミナール大阪校)
試験科目:
水産情報経営学科-数学ⅠⅡAB,物理ⅠⅡ・化学Ⅰ・生物Ⅰ・国語総合の中から1科目,英語ⅠⅡ
その他の学科- 数学ⅠⅡAB,物理ⅠⅡ・化学Ⅰ・生物Ⅰの中から1科目,英語ⅠⅡ
参考までに: 一般入試 合格者343名/受験者626名  推薦入試 合格者67名/受験者143名