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10月はこれでイコカ

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全国の私立大の実質倍率は平均すると,だいたい3.5倍前後で年々低下していっている。しかし、低下するとはいえ、志願者の多く集まる高人気の大学では、4~5倍前後の倍率になっている。いわゆる「狭き門」というのだが,これを具体的に証明しよう。すなわち,倍率が高くなると合否のボーダーライン付近では一体何人ぐらいが集中するのか、そういう観点で見てみたいと思う。ここでは日本大の法、医など7学部の実例を用いた。
 日本大では、学部によって全科目もしくは選択科目について標準化得点(偏差値)を利用し、得点を算出しているが、最終的に合否が決まった得点分布を下表に示した。配点は原則は各科目100点の300点満点。ただし、経済の英語120、医の理科は200点で、経済は320点、医は400点満点である。(注)
下表、左端の法学部では、合格最低点183.0点であり、上方の183.1~184.0点までに26人、下方の182.9~182.0点までに42人が分布する。一番右の薬学部では合格最低点229点を中心に1点きざみに10人前後がならんでいる。上方の10点幅に83人、下方に130人が分布している。この両学部とも下方の人数は上方の1.6倍になっている。
たった1点で,あるいは0.1、0.2、国立大のセンター利用入試では0.25、0.50といった得点差で「合格」と「不合格」に分かれてしまうのだ。これから夏休み以降本格化する志望校別の入試問題の演習の際に、ぜひこのことを意識しながら
やってほしい。自分の得意科目・不得意科目を十分に認識して、どうすればトータルで合格ラインに到達できるのか。今後の模擬試験の結果を踏まえて、適切な学習法を工夫してほしいと思う。そして、秋を迎えて11月頃の志望校の最終決定時期に、もう一度、自分の学力と合格ゾーンヘの距離(合格可能性)を見定めて、本番の入試にチャレンジしてほしい。
 現役は、浪人に比べると出題傾向の分析が甘く、理科・地歴の準備不足、数学の答案のツメの甘さが目立つといわれる。。この差はある程度仕方がないことではあるが,だからといって,大学は現役・浪人別に合否を決めているわけではない。浪人と勝負するには,“1点でも上げる”勉強,”1点にこだわる”勉強を始めることが合格につながる,と思っておいて欲しい。


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