« 2007年度入試予測 その1 | メイン | 家庭学習の環境 1 »

2007年度入試予測 その2

20061112.jpgtitle20061112.jpg

 ところで、文系最難関の法学系志望者は、前年並みのようだ。これは,4年前に起きた法科大学院ブームで大きく膨らんだ志望者が、ようやく正常値に戻ったということだ。ちなみに、今年行われた第1回新司法試験の合格率は約5剖。2~3%前後の合格率だった旧司法試験に比べればはるかに高い合格率だが、それでも、合格者がいない法科大学院もあり、大学院間の格差が生じつつある。司法試験合格者数で久しぶりに1位となった中央大をはじめ、上位大の法学部の価値は高められ,出願状況でも十分追い風になるだろう。特に,難関大法学部の志望者は新司法試験の合格発表前から増えていたので,これからさらに志望者が増える可能性がある。要注意だ。

 人気の高い経済系と前年並みの志望状況の法学系。両者をてんびんにかけるなら、法学部の競争率のほうが低いだろうと考えがちだが、話はそう単純ではない。経済系と法学系の両方を持っている大学は多く,その中で、高倍率になる経済系を嫌って、直前になって志願者が法学系に流れることは十分に考えられる。低倍率の法学系を狙ったものの、実は高倍率だったという思惑違いだけは避けたい。出願状況は、ホームページなどでしっかりとチェックしておく必要があろう。

 また、07年入試は男子受験生受難ともいえる入試状況も予想されている。それは,経済系で女子の受験生が増えているからだ。女子の受験生は真面目に勉強すると入試に強い。おしゃれなキャンパスを持ち、明るい雰囲気のある立教大や青山学院大、成践大などでは,女子志願者の増加が見込まれそうだ。

経済系以上に受験生の学部志望動向の影響を受けているのが、社会福祉系と教育系だ。女子受験生の人気が高いこれらの学部から、経済系に女子受験生が流れて志望者が減っているようだ。就職が厳しかった時代は、就職に有利な資格が得られる同学部の人気が高かった。しかし、福祉現場は厳しい、ともいわれ、「それなら就職状況も良いので一般企業に」という流れが女子を中心にできあがったようだ。難関大人気が続いているが、社会福祉系はその限りではない。法政大の現代福祉や明治学院大の社会(社会福祉)、同志社大の社会(社会福祉)などでも志望者が減っている。社会福祉系を新設する大学も多く、定員枠が増えているにもかかわらず志望者が減っているということで社会福祉系は易化しそうだ。