本番に向けて(fin)
大学は、高校時代に学習した基礎的な事柄は、当然知っているものとして講義が進められていきます。たとえば、私の場合、英語が専攻でしたが、英文法を大学で改めて学習するということは、ほとんどありませんでした。確かに1回生の時に、英文法という名目の講義はあったけれど、英語の歴史であるとか、高校で既習の内容を改めて復習するということはなかったように思います。最近お亡くなりになったある英文学の教授が、「僕の英文法の知識なんて、皆さんとそう変わりませんよ。高校で学習したきりです。」とおっしゃっておられたのを思い出します。今、学習した事柄に肉付けして様々な知識、研究として発展していくのです。
では、自分の専門になる教科以外の勉強は多少手を抜いてよいのか。そういうわけにはいきません。なぜなら、数年後に就職活動の際に、一般教養の試験に様々な教科から出題されるからです。私は就職活動時、苦手な数学の問題が解けなくてくやしい思いをしました。出題内容は、ごく基礎的なもので、幅広くいろんな分野から出題されるので、高校で既習の基礎知識があれば十分なのです。「その時に勉強すればいいや」と思うかもしれませんが、脳が若いうちに覚えておくということは、後で必ず役に立ちます。たとえ数年後でも、苦手な事柄を改めて頭に入れるということは、簡単なことではありません。
そういう意味でも,この冬から春までの時期は非常に貴重な時期となります。受験勉強というものは、合格が一番の目標であるけれど、後の大学生活にも大きく影響します。私自身、ぎりぎりで志望校に合格しましたが、入学してからついていけなくなって投げ出してしまった時期が、正直にいってあります。ぎりぎりで合格したことがいけないというわけではなくて(ぎりぎりでも最高点でも合格は合格)、後にどのように大学での勉強を進めていくか、卒業してどのような職業につくか、進路を決めるということはそういったことも含めて考えるべきです。そのためにも、受験勉強によって強い精神力を養ってください。今、どれだけ勉強して根性をつけるかで、大人になってから困難な状況に陥った時に、苦境を乗り越えられるかどうかにも関わってきます。今身に付けた根性は後にきっと活かされるはずです。
突然ですが、最近改めて効果的に感じる英語の勉強法を紹介します。実際に私は自分の授業にも少しずつ取り入れています。声を出して読みながら、考えて問題を解く。(もちろん自分で勉強する時の話で、受験本番ではしないでください。)こうすることにより、頭に英文の内容が入りやすくなるし、リスニングの対策にもなります。本番では心の中で声を出して(?)、頑張ってください!