本番に向けて(1)
野球であれば野球の,水泳であれば水泳に適した筋力と持続力が必要です。大リーガーのイチローや松井,水泳の北島康介選手の名前を挙げるまでもなく,プロ選手は皆独自のトレーニングメニューを持っています。受験も同じ。それぞれの目標に向かって一生懸命に勉強し続けることは勿論ですが,試験という「勝負」時に頭も身体もメンタルなものもすべてベストな状態にしておくのが受験生=受験のプロというもの。前述のように,「これが絶対良い!」という共通項はありませんので,いろいろな事例を通して,自分に適したものを掴んでください。
人間の身体というものは、目覚めてから頭がシャキッとするまで,2~3時間かかると言われます。本番の試験はだいたい午前9時か10時に始まるので、朝6時には起床するのが理想的です。同じ量を勉強したにしても、眠い頭とすっきり覚めた頭とでは、ずいぶんと結果に違いが出てしまいます。もしかしたら、本番当日だけ早めに起きようと考えていませんか?でもそれでは駄目。いくら起床時間だけを早めても、それまでの生活リズムというものはなかなか抜けないものなのです。生活時間帯を変える場合には、変えてから2,3週間は慣らしの期間が必要です。その慣れるまでの数週間は、起きても本調子が出ないわけですから、本番が近づいている受験生にとってとてももったいない期間になってしまいます。そこで、一番いい方法は、急に何時間も変えるのではなく、1日10分ぐらいずつずらしていって、最終的に目標の時刻に無理なく起きることができるようにするというやり方です。ちょうど今ぐらいの時期から始めるといいのではないでしょうか。それでも朝がどうしても苦手という人は、どんなにだるくても眠くても『起き上がる』ことが大事です。起き上がったら、声を出すとか、目の覚めるようなことをする。少しずつ習慣化する努力をしましょう。また、本番直前期には覚えなくてはならないことがかなりありますが、睡眠不足は記憶の最大の障害となります。最近の脳科学でも、睡眠時間が5時間を切ると、急激に記憶力が低下することがわかっているそうです。だから、記憶力と体調を維持するためにも、睡眠時間は大切に考えましょう。