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家庭学習の環境 3

 一般的に居心地の良い部屋と言えば、風通しが良く、明るくて、広々とし、整然とした中に花でも生けてあれば…そんな夢のような状況が目に浮かぶかも知れません。それがかなうのなら、それにこしたことはないでしょうが、勉強部屋となると、少し考えを変えてみる必要がありそうです。
 私の親の育ってきた時代は、戦争という悲惨な状況だったため、とても厳しく、戦争を知らない幼い私には、理解しにくい面も多々ありました。“もったいない” “無駄遣いだ”と、勉強部屋には長い間、暖房も冷房も入れてもらえませんでした。暖房に関しては、“散らかった部屋にストーブを入れて、火事にでもなったらどうするんだ”と。大学に入ってからバイトをして、電気ストーブを自分で買いました。部屋の照明もスタンドのみ。恐がりの私にとって、これが一番辛かったです。
 しかし、今はとても恵まれた時代になっています。可能な範囲で、利用するのもいいのではないでしょうか。
 はじめに、風通しについてですが、これは大切でしょう。1時間ごとに目覚まし時計を合わすなど、時間を決めて5~10分程度換気をする。今の時代、エアコンなど、室温を適度に調節しやすくなっています。よく、“頭寒足熱”という言葉を聞きますが、それは実行すべきです。机を置く場所も、エアコンが直接あたらないように考えたり、寒いときは、足元にホットカーペットを敷いたり、工夫してみましょう。蛇足でが、“集中できる、学力の伸びる机の向き” 等について気になる人は、今はやりの風水などを参考にするのも、気分的に楽になるかも知れません。
 次に明るさですが、できれば部屋の照明をやさしくつけて、なおかつ手元の照明をつければ、集中しやすくなるでしょう。手元の明かりだけで部屋を真っ暗にしていると、不安になりやすく、目が疲れるだけでなく、ちょっとした物音や自分の影などが気になったりと、気が散ることもあるようです。
 そして、カーテンは閉めておいた方がいいような気がします。外の風景が、自然の美しい環境にある人は、もったいないと思うでしょうが、そのあたりは臨機応変に。これは、私の体験談ですが、浪人中の真夏の暑い暑い中、昼間なのに窓を閉め、カーテンも閉め、エアコンもつけずに何時間もピアノの練習をしていた覚えがあります。ある意味、気が変になっていたのかなぁとも思いますが、とにかく外界から自分をシャットアウトし、集中したかったから。でも、ちょっと異常かなあ…それがあったから、大学にも合格し、今の私があるのですが…。
 次回は、音楽を聴きながらの勉強について、考えてみたいと思います。