数と雑学 8
大学生の年度の数え方が2つあるのを知っていますか。一般に、関東の大学生は1年生、2年生と呼ぶのに対して、関西の大学生は1回生、2回生と呼びます。なぜ、関西と関東で違うかというと、京都大学と東京大学の履修制度の違いによるそうです。
1897年創立の京都大学では、ドイツの大学をモデルにして、各学年で履修するカリキュラムがある程度自由な「科目制」を採用した。そのため、学年という意識が薄く、在籍した年数によって1回生、2回生、最長で8回生という呼び方がされるようになった。ただし、この回生という呼び方は俗称であるため、大学は4年生大学として認められたため、学年はあくまで4年であり、公式な書類には、「年次」で記録されている。
それに対して、1877年創立の東京大学は、1学年ごとに履修するカリキュラムがきちんと決められた「学年制」を採用した。単位を取らないと上の学年にあがれないため、学年という意識が強くなった。もし、2年で単位を落とせば、次の1年は京都大学では3回生だが、東京大学ではもう一度2年生になる。こうした違いから生まれた呼び名だが、一般にそれが関東、関西地域の他の大学にも広がったと思われる。ちなみに北海道大学は「年目」を使い、京都大学に似ているそうである。